ニテコ池

西宮市満池谷町には、何やら不思議な名前の「ニテコ」という池があります。

室町時代、西宮戎神社の大練塀を作るためにここから土を掘りだし、そのあとが池になったと言われています。土を運ぶ人足の「ネッテコイ、ネッテコイ」(練ってこいの意)という掛け声からその名がついたそうです。

昭和の時代、池のほとりには松下幸之助さんの大邸宅があり、そして池のへりには横穴壕があったといいます。「火垂るの墓」の舞台となったのがまさにこの辺り一帯です。

池の東を上がり、その先には「西宮市立満池谷墓地」があります。ちょっと小高い一画には、遠藤周作さんと深い関わりのあった「夙川カトリック教会」のお墓がありますが、先日逝去された田辺聖子さんは、ここでピクニックをしていたそうです。

北東角には桜の名所「西宮震災記念碑公園」と「越水浄水場」があります。大正時代から桜が植えられていましたが、戦後、水道局が指導を仰いだ桜博士の笹部新太郎さんは、水上勉さんの「桜守」の主人公だそうです。

名前と同じく何とも不思議な歴史を感じる「ニテコ池」周辺。

四季折々の美しい風景を眺めながら、ゆっくりウォーキングはいかがですか?